建築事件

近隣問題

建築工事の際、近隣との関係は避けては通れない問題です。近隣トラブルに遭遇し、多大な労力と費用を要した経験を持っている企業の方も多いのではないでしょうか。

近隣トラブルに発展しやすいものとして、①日照トラブル、②騒音・振動トラブル、③眺望・景観トラブルが挙げられます。

上記トラブルに関しては、まずは、建築基準法、騒音規制法、振動規制法、各地の条例等行政取締法規により、近隣住民の権利保護が図られています。そして、これら行政取締法規の規制に違反しない場合でも、近隣住民への被害が甚大であることを重視して、建築の差止めや損害賠償等の方法による裁判所による救済が認められる場合があります。もっとも、被害が生じていれば直ちに救済が認められるというわけではなく、社会生活上一般的に被害者が受任する限度を超えた場合に違法になるとして(受忍限度論)、かかる違法性が肯定される場合にはじめて建築の差止めや損害賠償等の方法による裁判所による救済が認められています。そして、一般的には、違法性には段階があると理解されており、建築の差止めによる救済を受けるには、損害賠償による救済を受ける場合よりもより大きな違法性が必要になると解されています。

また、どのような場合に受忍限度を超えたと評価できるかについては、被害の程度、地域性、加害回避・被害回避の可能性、建物の用途、行政上の規制との適合性等様々な考慮要素を勘案して判断する必要があります。画一的な基準がないため、建築業者と近隣住民との間での主張が食い違い、大きな紛争となるケースも少なくありません。

当事務所は、建築会社や施主の代理人として、近隣トラブルの対応にあたった豊富な経験を有しております。近隣トラブルでお困りの際には、お気軽にご相談ください。

建築瑕疵・請負代金の回収

建物は注文者にとって大きな買い物であることから、注文者のこだわりも強く、かつ、成果物に対する要求水準も高くなることから、他の契約類型と比較して、紛争になりやすい傾向があります。その結果、注文者から、細かな問題をとらえて、建物に瑕疵があるとして、瑕疵修補請求又は損害賠償請求をされたり、建物が完成したのにもかかわらず残代金の支払いを拒絶されるなどの大きな紛争に発展することもあります。

瑕疵とは、引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない場合を言います。なお、法律上これまでは「瑕疵」という表現が用いられてきましたが、2020年4月に施行された民法改正により、「瑕疵」という文言は使われなくなり、契約の内容に適合しないもの(契約不適合)という文言に改められました(改正民法562条1項。改正民法559条)。

建築紛争においては建築基準法や都市計画法、各種条例の規制など様々な法規が絡むだけでなく、専門的な建築知識や、構造計算などの数学的知識も必要とされるため、専門性が高い訴訟分野であり、得意とする弁護士が他分野に比べると少ないのが現状です。また、民法改正による今後の裁判実務への影響等、常に最新の法律知識が必要となります。

当事務所では、建築紛争に精通した弁護士が相談にあたりますので、是非、お気軽にご相談ください。

元請・下請業者間のトラブル

近時、従前までは取引関係のなかった業者と取引を行い、取引慣行の違いなどからトラブルに発展するケースが増えています。

建築業界は、元請業者、下請業者、さらには孫請業者等、多層の請負契約関係の構造になっており、下請代金等の支払に関して、ある工事が基本工事に入るのか、追加工事なのかにつき揉めることが少なくありません。

これらのトラブルの原因は、現場における口頭だけのやり取りで工事の追加や変更を済ませてしまうことが原因です。法律上は下請工事の着工前に契約書の締結をすることが義務付けられています(建設業法18条、19条1項、19条の3)。追加工事・工事内容の変更の場合も同様です(建設業法19条2項、19条の3)。

請負金額などについて一旦トラブルが発生するとその解決に長期間を要するケースも少なくありません。

そのようなトラブルを防止するには、契約書において、依頼内容の範囲を明確にしておくことが重要です。また、契約締結後の変更については、契約工事について減額や増額をするのか否かを、合意書等を作成して明確にしておくことが有用です。

当事務所では、トラブルを防止するためにどのような契約書を作成したらよいか契約締結後の変更工事についてどのような合意書を作成したらよいか、具体的なアドバイスをさせていただいております。

また、トラブルが発生した際には、早期解決を目指し、全力で対応させていただいております。まずは、お気軽にご相談ください。

顧問契約のご案内

当事務所は、長年、上場企業のお客様から中小企業のお客様、自治体、各種団体の顧問業務を行ってまいりました。顧問業務の内容には、上記取扱業務を含みますが、それらに限定されません。

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また、当事務所では、顧問先の役員・従業員の方のご相談については、顧問料と別途の費用はいただいておりません。もっとも、役員・従業員の方のご相談に関して、顧問先企業と利益が相反するご相談はお受けできませんので、その点につきましては、予めご了解ください。

顧問料の金額は、企業の規模や相談頻度等に応じて、協議の上、決定させていただいております。事業内容や、相談されたい事項、相談頻度等をお聴きして、お見積りさせていただきますので、具体的な金額をお知りになりたい方は、お尋ねください。