男女関係のトラブル
DV・ストーカー
【 DV防止法とは 】
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(DV防止法)は、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることを目的とする法律です。
法律の適用対象となる「配偶者」には、法律婚による配偶者だけでなく事実婚(内縁関係)の配偶者も含まれ、離婚後(事実上離婚したと同様の事情に入ることを含む)引き続き暴力を受ける場合も含まれます。
また、平成25年改正により、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力についてもこの法律が準用されることになりました。
DV防止法は、裁判所による保護命令の制度と都道府県・市町村が運営するDVセンター(配偶者暴力相談支援センター)により、加害者からの暴力の防止と被害者保護を図っています。
【 ストーカー規制法とは 】
「ストーカー行為等に関する法律」(ストーカー規制法)は、ストーカー行為について必要な規制を行うとともに、被害者に対する援助の措置等を定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする法律です。
「つきまとい等」(①つきまとい・待ち伏せ等、②行動を監視している事項の通知、③面会・交際の要求、④粗野又は乱暴な言動、⑤無言電話・連続した電話・ファクシミリ・電子メール、SNS等の送信、⑥汚物、動物の死体等の送付、⑦名誉を害する事項の通知、⑧性的羞恥心の侵害という8つの行為類型が想定されています。)と「ストーカー行為」(「つきまとい等」を同一の者に対して繰り返し行うことが「ストーカー行為」にあたるとされています。「つきまとい等」のうち一部行為類型については、身体の安全等が害されるかもしれない、という不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限定されています)が規制の対象とされています。
違反行為については、まずは、被害者の申出に応じて、警察本部長等が警告を行い、警告に従わない者については都道府県公安委員会の禁止命令等が行われます。
当初ストーカー規制法では、メール送信は規制の対象になっていませんでしたが、平成25年改正により、規制の対象に加えられることになりました。
【 DV・ストーカー被害への対応 】
DV・ストーカー被害にお悩みの方は、是非、DV・ストーカー事案に詳しい弁護士に相談することを検討してみてください。DV・ストーカー事案においては、法的手続を利用するほうが、解決の近道になることも少なくありません。
もっとも、被害者の方が置かれた状況や、被害者の方が加害者の方との関係を将来的にどうしていきたいと考えるかによって、選択すべき手段は異なります。そのため、事案に応じて適切な手段が選択できる弁護士に相談することをお勧めいたします。
当事務所は、ご相談者の方の状況を丁寧にお聞きし、ご相談者のご希望をうかがいながら、加害者から身を守るためにどうしたらよいか、ご相談者の希望する将来への道筋を見据えながら、アドバイスするよう心がけております。
また、女性の相談者の方からのDV・ストーカー相談には、女性弁護士が対応させていただくようにしております。まずは、お気軽にご相談下さい。
婚約不履行
結婚の約束をし、その準備を進めていたのに、その婚約相手から、突然、一方的に別れを告げられた場合、あるいは婚約相手からほかに好きな人ができたから別れたいと言われた場合、婚約相手の要求を受け入れないといけないのでしょうか。婚約相手に対しては、何も請求できないのでしょうか。
婚約は婚姻の予約契約であり、一方の当事者が、正当な理由なくこれを破棄することは許されず、正当な理由なく婚約を破棄した場合、相手方に対し、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償責任を負うとするのが判例・実務です。そして、何が正当な理由にあたるかについては、離婚や内縁解消の場合と比べると、柔軟に解釈されています。
もっとも、ほかに好きな人ができたという理由は、正当な理由にあたりませんので、そうした理由により相手が結婚の約束を履行しない場合は、相手に対し、損害賠償請求することが可能です。
婚約不履行による損害賠償請求の裁判では、婚約成立の有無と婚約破棄の正当な理由の有無がしばしば争点になります。
婚約は諾成契約(当事者の合意によって成立する契約で、必ずしも書面によることを要しない契約)ですので、「言った」「言わない」の争いになりがちで、当事者間の話し合いで解決するのは簡単ではありません。
婚約不履行でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
内縁関係
【 内縁関係の不当破棄 】
婚姻届を提出していないが、事実上夫婦として共同生活を送る男女は少なくありません。こうした内縁関係も法的保護の対象となり、内縁関係にある一方当事者が内縁関係を正当な理由なく破棄した場合、相手方に対し、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償責任を負うとするのが判例・実務です。そして、何が正当な理由にあたるかについては、法定の離婚原因に準じて厳格に判断されています。
内縁関係の不当破棄は、生活基盤を失いかねないという意味で、離婚と同様に重大な問題です。
内縁関係の不当破棄にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
【 内縁関係にあった相手方が死亡した場合 】
内縁の妻又は夫は、相続人にはあたりませんので、内縁関係にあった相手方が死亡した場合、相手方が遺した財産を相続することはできません。
なお、相手方に相続人がいない場合、特別縁故者と認められれば、財産を取得することができる場合もありますが、そもそも相続人がいないのは極めて限られたケースですし、特別縁故者として認めてもらうのも容易ではありません。
このように、内縁関係は、婚姻関係にある夫婦と異なり、法律の保護が与えられる範囲が限られていることに注意が必要です。
長年、内縁の夫と、内縁の夫名義の土地建物で生活していたところ、内縁の夫が亡くなった途端に、内縁の夫の相続人から、立ち退きを請求されるという紛争も、珍しくありません。判例は、そうしたケースについて、一定の範囲で、内縁の妻を保護する判断をしていますが、老後を含め安定した生活を送ることを考えた場合は、生前から、そうした場合に備えた対策をとることが重要です。
当事務所では、内縁関係にある方の相続対策等についても、ご相談に乗っておりますので、お気軽にご相談ください。
不貞
婚姻関係にある夫婦の一方と、不貞行為に及んだ場合、不貞に及んだ配偶者のみならず、不貞相手も、他方配偶者に対して、不法行為に基づく損害賠償責任を負うとするのが判例・実務です。
例えば、結婚している男性と不貞行為に及んだ場合は、その男性の妻から、慰謝料の支払いを請求される可能性があるということになります。
こうした不貞に関する慰謝料には、①不貞行為自体を理由とする慰謝料(不貞慰謝料)と②不貞行為の結果離婚に至った場合の離婚に伴う慰謝料(離婚慰謝料)があると考えられており、不貞相手である第三者に不貞慰謝料が請求できることは実務上争いがありませんでしたが、離婚慰謝料の請求ができるか否かは、裁判でたびたび争われてきました。
そのようななかにおいて、平成31年2月19日、最高裁は、第三者が、単に不貞行為に及ぶにとどまらず、当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして夫婦を離婚に至らしめたと評価すべき特段の事情がない限り、第三者に離婚慰謝料を請求できないと判断しました。
この最高裁判例によって、原則として不貞相手である第三者には離婚慰謝料を請求できないということが明確にされたと評価できます。もっとも、この最高裁判例は、特段の事情がある場合に離婚慰謝料の請求ができる余地を認めていることに注意が必要です。
不貞に関する相談は、最も多い相談のひとつです。
不貞相手から、配偶者とは破綻状態にあったと聞かされていたのに、突然、その配偶者から慰謝料請求を受けて驚いた、不貞相手から聴いていた話と違う等、とまどいながら相談にお見えになる方も少なくありません。
性質上、家族や友人に相談できず、どう対応してよいか深刻に悩まれている方も少なくありません。
当事務所は、ご相談者の方の状況を丁寧にお聞きし、不安を少しでも軽減できるようアドバイスすることを心がけております。まずは、お気軽にご相談下さい。