不動産賃貸借

敷金・保証金の返還、原状回復

アパートやマンションを借りる際、敷金や保証金として、家賃の1~2か月分を預けることが多いと思います。こうした敷金・保証金は、アパートやマンションを退去する際、未払の賃料や原状回復費用を控除して残額があれば返還されます。

不動産賃貸借についてよくトラブルになるのは、こうした退去の際に、原状回復費用と称して敷金から多額のお金が差し引かれたり、敷金・保証金の金額では足りないとして多額の原状回復費用が請求されるケースです。

賃借人が、どこまでの原状回復費用を負担する必要があるかは、賃借人が負うべき原状回復義務の範囲という論点に関連します。

この点については、これまで法律上の明確な定めはありませんでしたが、令和2年4月から施行された改正民法第621条で原状回復義務の範囲が規定され、一定のルールが明確になりました。改正民法が適用されるのは、令和2年4月以降に新たに契約した賃貸借契約に限られますが、改正民法の規定は、これまでの判例法理や従来の慣例を踏まえて規定されたものですので、令和2年4月以前の契約におけるトラブルでも参考になります。

改正民法では、賃借人が部屋を借りた後に生じた損傷がある場合には賃借人がその損傷を回復する義務を負うとされていますが、通常損耗や経年変化は原状回復義務の対象とはならないことが明記されています。

なお、上記規定は任意規定(法律と異なる同意を当事者間ですることが認められているということです)であり、契約で異なる定め(特約)をすることも可能ですが、特約をした場合でも、一定の場合には特約そのものが無効となったり、効力が制限されることがあります。

敷金返還や原状回復費用についてお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。

大家さんから立退きを求められたら

賃貸物件を借りて住んでいると、稀に大家さんから立ち退きを求められるケースがあります。その賃貸物件で暮らしている借主からすると、突然の立退きを求められても「職場や子供の学校との距離も近く、突然の立退きは受け入れがたいけど、出ていかないといけないのか?」「引越しするにも準備がいるしお金もかかるので困る」と、立ち退き依頼に困惑してしまいます。

法律上、大家さんが入居者に立ち退きを要求する場合は、その「正当な事由」が必要とされています(借地借家法第28条)。そして、正当事由があるかどうかは、①建物の使用を必要とする事情、②建物の賃貸借に関する従前の経緯、③建物の利用状況、④建物の現況、⑤財産上の給付(いわゆる立退料)等の事情が考慮されます。

この中でも、①建物の使用を必要とする事情が、最も重要な考慮要素です。代表例としては、建物が著しく老朽化しており解体の必要がある場合や、大家さんが転勤等から戻り、賃貸していた物件で住む場合などが挙げられます。ただし、これらの事情があるからといってすぐに立退きが認められるわけではありません。実務的には、正当事由を補完する意味での金銭の給付、いわゆる立退料の支払いがなされる事案が非常に多く、少額の立退料しか支払えない場合には、立退き請求も認められないケースも少なくありません。

大家さんから立退請求を求められお困りの方はまずはお気軽にご相談ください。当事務所では、立退請求につき経験豊富な弁護士が対応致します。